きゃりぱみゅがアジアで今ひとつな人気の理由
バンコクできゃりぱみゅのライブに行ったことがある。
客席の半分はガラガラで惨憺たる状況であった。その上、客のほとんどのバンコク在住の日本人(よくあるパターンで、結局日本人シンガーがNY公演をしても顧客が日本人なら単なる大相撲巡業である)。
これでは到底ライブに成功したとはいえない。
きゃりぱみゅは、アソビシステムが生み出したお化けカリスマだが、あの中田ヤスヒロの音楽力をもってしてもどないもならなかったのはどーゆーことかと思う。
・・・。
やはり、日本のクールジャパン戦略がそもそもトンチンカンということがひとつ。
次にアソビシステム含めた、コンテンツをアウトバウンドしようとする中小企業が、思いだけで、内容があまりにもバラバラなこと。
この2点だろうなあ。
まあその悲劇の根幹は、彼らが「ドラえもん」と「ソードアートオンライン」と「きゃりぱみゅ」のユーザー層をチャンポンにしていることだ。
要するに「ドラえもん」は子供向けコンテンツ。
「ソードアートオンライン」はオタ向け。
「きゃりぱみゅ」はファッション向けなのである。
アジアのビジネスパーソン(現地の人ね)に聞いてもまともな大人は、せいぜい知っているのはドラえもんぐらいである。
でもキモオタはどこの国でもいる。「ソードアートオンライン」などのファンは固定層がいるものの、要するに日本レベルではない、小さな、小さな、少数のマーケットなのである。こんなもん相手にしても商売なんてできません。
で「きゃりぱみゅ」は、TOKYOを「カッコイイ洗練した街だ」というあこがれがある人に対してしか、効果を発揮しない。
そしてそんな意味合い(いわば日本人のパリに対する憧憬に近い)を持っているアジア人など、ごく一部。
ほとんどのアジアの人は、テレビを席巻する韓流ドラマやポップスを中心としたカルチャーに流れる。せいぜい「トンガった服装をした日本のアーティスト」ぐらいの認識しかないんじゃないかと思う。
というわけで、別に、きゃりぱみゅがアウトバウンドするな、とは思わないが、まあせいぜいサロン的、ファッションの分野での先進国を中心としたビジネスでしか通用しないと思う。
ポップじゃないのよね。w